思う

伏見 名古屋と京都、ふたつの「伏見」の違いと共通点

名古屋と京都の「伏見」をめぐるすれ違い

友「そういえばどこで働いてるんだっけ?」
僕「伏見だよ」
友「マジ?あの辺会社とかあったんだ」
僕「いやいや超オフィス街だよ何言ってんの」
友「へー知らなかった、神社のイメージが強いからさ」
僕「(大須観音のこと?)あれ神社じゃなくてお寺だよ」
友「へ?」
僕「ほあ?」

 

先日、東京に住む友人に久しぶりに会った。そのとき交わした会話がこれ。二人が絶妙なすれ違いを起こしていることにお気づきだろうか。

そう、「伏見」という地名を僕は「名古屋の伏見」そして友人は「京都の伏見」だと思って喋っていたのだ。さながらアンジャッシュのコントである。

これは「どこで働いてるの」と聞かれて「名古屋の伏見」と答えなかった僕の落ち度だ。世間一般の人々が「伏見」と聞いてパッと思い出すのは「京都の伏見」。言葉足らずはときに致命的なすれ違いを引き起こす。みんなも気を付けような。

ちなみに、このあと友人に「名古屋の伏見」であることを伝えたら「名古屋に伏見があること自体知らなかった、どこそこ」とたいそう楽しげに笑っていた。

 

なに笑ってんだこの野郎、の意を込めてデコピンをしておいた。

 

「伏見」という地名の由来

伏見という地名の由来は、地下水を意味する「伏し水(ふしみず)」から来ているらしい。

その昔、現在の京都伏見区のあたりは地下水が豊かな土地だった。そこからはじめは「伏水」と呼ばれ、それがのちに「伏見」になったと言われている。

名古屋の伏見が「伏見」になったのは、伏見屋六兵衛という人が京都の伏見から移り住んだことに由来するらしい。

参考:伏見町(名古屋市) – Wikipedia

見知らぬ土地に名前そのまま付けちゃうほど故郷が恋しかったのか、なにか帰れない事情でもあったんだろうか。そう思うとなんだか胸が痛い。

 

…そして、やっぱ名古屋のほうが後出しなんだな。まあなんとなくそんな気はしてたけどさ。

 

京都と名古屋、それぞれの伏見の特徴

京都の伏見

酒蔵の杉玉
地名の由来からも分かるように、水のまちとして栄えた京都の伏見。
酒どころとしても有名で、月桂冠や黄桜などの有名ブランドも、ここ伏見が発祥だ。

あるときは城下町、またあるときは宿場町、そして数々の事件の舞台にもなった歴史深い街、それが京都の伏見だ。北部に鎮座する伏見稲荷大社は千本鳥居で知られ、一年を通して多くの参拝客が訪れている。

伏見稲荷大社公式サイト

名古屋の伏見

名古屋のオフィス街
京都の伏見が水のまち・酒どころとして有名なのに対し、名古屋の伏見は金融街・オフィス街としての顔がよく知られている。

戦後に生まれた長者町繊維街や伏見地下街には、今でもほのかに昭和の面影が残されている。

伏見駅から地下鉄で一駅行けば日本三大観音のひとつに数えられる大須観音があり、そのすぐそばにある大須商店街は連日多くの人と鳩で賑わっている。

 

名古屋の伏見と京都の伏見には意外な共通点が?

同じ「伏見」という名前のまちを持つ名古屋と京都。当然中身は全然違うけど、共通点が全くないこともないのだ。探せばの話だけど。

 

「京都の町は碁盤の目」ってよく言われるけど、実は伏見のオフィス街も碁盤の目状だったりする
名古屋には「白川公園」が、京都の宇治市には「白川」って地名がある
名古屋にも京都にも「東山公園」がある
名古屋駅と京都駅、両都市の主要な駅のすぐ近くにビックカメラがある

 

アレ?やっぱちょっと似てんじゃねえの?なんて調子に乗ってると、京都の人にぶぶ漬け食わされて死ぬかもしれないからほどほどにしておこう。

 

伏見がやられた、つぎは丸の内かもしれない

京都の人のイメージ
かつて名古屋には伏見町っていう町名があったんだけど、現在は町名自体はなくなってしまった。これは住居表示法が施行されたときに、半分は錦、半分は丸の内に吸収されちゃったから。

 

…というのは表向きの理由で、もしかしたら京都に「日本に伏見は二つもいりまへんえ!!!」つって抹消されたのかもしれない。
伏見地下街に飲み屋街が形成されたのが、京都による監視の目を逃れるためとかだったらどうしよう。

そんなこと言ったら丸の内はどうなるんだ。あれもそのうち東京の人に消されるかもしれない。怖い。

 

こんなことばっかり言ってると、京都の人に手ぬぐいかけたほうきで殴られかねない。東京の人にも怒られるかな。東京スカイツリーで殴られたら死んじゃうな。

 

名古屋テレビ塔で応戦できるかなあ。…ちょっと高さが足りないかもなあ。

 

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