2026年9月19日から始まる「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」。開幕を目前に控えたこの数週間、地元の道端や商店街で「聖火リレー」を見かけた人も多いんじゃないだろうか。かくいう私も、名古屋城のニュースを見てから気になって仕方なくて、公式サイトや地元自治体のページをあれこれ調べてみた。今回は、愛知・名古屋を巡った聖火リレーのコースについて、出発地から最終ゴールまでをできるだけ具体的に振り返ってみたい。

まず気になるのは「聖火っていつ、どこで灯されたの?」というところ。実はこのアジア大会の聖火、ひとつの都市だけでなく、複数の都市の火を合わせて作られているのが面白いポイントだ。
公式発表によると、採火式は3か所で行われた。東京会場は大会公式サイトの発表によれば8月18日(火)午前10時から国立競技場の青山門前で実施され、1958年の第3回アジア大会(東京大会)の炬火台前で火が採られた。広島会場は8月20日(木)午前11時30分から平和記念公園で、「平和の灯」から採火されている。そして名古屋会場は8月22日(土)午前9時30分から名古屋城で行われた。
東京と広島が選ばれたのは、どちらも過去に日本国内でアジア競技大会を開催した都市だからという理由がある。東京は1958年の第3回大会、広島は1994年の第12回大会の開催地にあたる。この2つの火に、地元・愛知の火を加えて名古屋城で一つにまとめる、という構成になっている。
8月22日、名古屋城で東京・広島・名古屋の3つの火が集約され、いよいよアジア大会本番に向けた聖火が誕生した。ここからがリレーの本格スタートで、同日には名古屋市内でもさっそくリレーが行われている。第1走者を務めたのはレスリングの吉田沙保里さんだったそうで、なんだか地元としても誇らしい気持ちになる話だ。
この日を境に、聖火は「Aルート」と「Bルート」という2つの経路に分火され、それぞれ別の地域を同時並行で巡っていく形がとられた。1つの聖火が、まるで枝分かれするように愛知県内を駆け巡っていったわけだ。

「じゃあ結局、どこを回ったの?」というのが一番知りたいところだと思う。ここからは、実際にリレーが通過したエリアを日程ごとに追ってみる。
聖火リレーは、愛知県内の希望した40市町村(名古屋市は16区すべてを含む)を巡る形で組まれていた。土日を中心に、AルートとBルートが同じ日に別々の地域を走るスタイルが続いていく。いくつか具体的な日程を挙げてみると、次のような区間があった。
こうして見てみると、尾張・西三河・東三河・知多と、愛知県内をぐるっと一周するような広がりを持ったコースだったことが分かる。ランナーの総数は約1,000人にのぼると発表されていて、まさに県内を挙げての一大リレーだったと言えそうだ。
名古屋市内だけを見ても、全16区を一度に回るのではなく、5日間に分けて実施されているのが特徴的だった。名古屋市の公式ポータルサイトによると、スケジュールは次の通り。
最終日である9月16日の瑞穂区は、開閉会式の会場に近いエリア。ここで自治体リレーとしては最後の区間を走り終え、いよいよフィナーレへとつながっていく流れになっている。

せっかくのリレーなので、どんな場所を通ったのかも気になるところ。地元感覚で「ここは盛り上がっただろうな」と思うスポットをいくつか紹介したい。
名古屋市内のリレー会場としては、名城公園(北区・中区)、オアシス21(東区)、熱田神宮(熱田区)、東山動植物園(千種区)、名古屋港水族館(港区)といった、市民にとってもおなじみの施設が使われていた。各会場では地元にゆかりのある団体によるイベントも行われ、聖火リレー限定のノベルティが配布されるなど、沿道の人たちを楽しませる工夫がされていたようだ。
県内に目を向けると、犬山市では犬山城下町の風情ある通りを聖火が駆け抜け、西三河エリアでは豊田市駅東口周辺から豊田スタジアム西イベント広場へと続く区間が組まれていた。また知多半島側では、常滑市をスタート地点として東海市・東浦町・刈谷市へとつながる沿岸ルートもあり、観光地としてもおなじみの土地を聖火が巡っていったことが分かる。
沿道での観覧は無料でチケットも不要だったため、地元の人が気軽に立ち寄れるイベントとして親しまれていたのも良かった点だと思う。

県内40市町村を巡ったリレーも、いよいよ最終盤。舞台は名古屋の中心、久屋大通公園に移る。
大会公式サイトの発表によると、9月17日・18日の2日間、久屋大通公園のOAWプレイベントゾーンで「クライマックスリレー」が実施される。9月17日15時からはOCAスポンサーズクラブやPRランナーの高田真希さんらが、17時からは神野大地さんやラモス瑠偉さんらが参加。翌18日は15時30分からOCA役員らが、17時からは水谷隼さんや羽根田卓也さんらPRランナーが聖火をつなぐ予定になっている。中部大学チアリーディング部ELFINSによる応援も予定されているそうで、フィナーレらしい華やかなプログラムだ。
そして最後を締めくくるのが、9月18日18時30分から久屋大通公園ミズベヒロバで行われる「グランドゴール」だ(開場は17時から)。約1,000人のランナーがつないできた聖火リレーのフィナーレを祝い、開会式へ聖火を送り出すという位置づけのイベントで、最終ランナーは第69代横綱の白鵬翔さんが務める予定だという。点火セレモニーや花束セレモニー、nobodyknows+によるスペシャルパフォーマンスも予定されていて、翌9月19日の開会式へとつながっていく流れになっている。
ここまで読んで、まだ気になることがある人もいるかもしれない。よく聞かれそうな点をQ&A形式でまとめておいた。
名古屋城での採火式・集火が行われた8月22日(土)からスタートし、9月18日(金)のグランドゴールまでの約1か月間にわたって実施された。その間、8月22日から9月16日にかけては愛知県内40市町村を巡る自治体リレーが行われ、9月17日・18日はクライマックスリレーとグランドゴールという構成になっている。
出発地は東京・広島・名古屋の3か所での採火式で、そのうち最後に行われた名古屋会場(名古屋城、8月22日)で3つの火が一つに集約された。そこから愛知県内をリレーし、最終的な到達地となったのは名古屋・久屋大通公園のミズベヒロバで、9月18日のグランドゴールがそのゴール地点にあたる。
8月22日に聖火が分火されて以降、同じ日でも別々のエリアを走る2つの経路として設定されたのがAルート・Bルートだ。たとえば8月29日はAルートが小牧市・尾張旭市・瀬戸市方面、Bルートが豊橋市・田原市方面というように、県内を東西南北に分担して巡る形が取られていた。
採火式から数えるとおよそ1か月、愛知県内40市町村・約1,000人のランナーの手でつながれてきた聖火リレー。振り返ってみると、名古屋城での集火から始まり、県内をぐるっと巡って、最後は久屋大通公園のグランドゴールで開会式へとバトンを渡す、という一本の大きな流れになっていたことが分かる。
普段何気なく歩いている名城公園や熱田神宮、犬山城下町や豊田スタジアムのあたりを聖火が通ったと思うと、なんだか身近な景色が少し特別なものに見えてくる。9月19日からはいよいよ本番が始まる。聖火がつないできたバトンがどんな大会につながっていくのか、地元のいちファンとして楽しみに見届けたいと思う。