名古屋、というか愛知県では今『産業観光』がアツいらしい。
産業観光とは、歴史的・文化的に価値のある工場や機械などの産業遺産を通じて、モノづくりの歴史や価値について知ることを目的とした観光のことだ。
参考:ナゴヤ産業観光NAVI
観光地がない、魅力がないとさんざん言われてきた愛知県。
しかしそんな愛知県には、“世界のトヨタ”をはじめとした産業、つまり「モノづくり」で栄えてきた歴史がある。これをうまいこと観光に生かしてやろうというわけだ。目の付け所がシャープだね。
愛知の「モノづくり」がすごい証拠として、名古屋に本社を置く企業の例を挙げてみよう。
ほら、けっこうそうそうたる顔ぶれじゃない?
※札幌かに本家の“本店”は札幌にある。でも本社は名古屋。
参考:会社案内 | 札幌 かに本家
それに見てこれ。Wikipediaの「産業観光」のページ。「主な産業観光施設 中部」のとこだけボリュームがすごいの。
Wikipedia – 産業観光
これでもう「愛知に観光地はない」なんて言わせないね!
名古屋が誇る世界最大の高級陶磁器・砥石メーカー『ノリタケカンパニーリミテド(以下ノリタケ)』も、名古屋市に本社を置く企業のひとつだ。
※ついでに言うと、トイレや洗面台の国内シェアNo.1『TOTO』、電線用の絶縁体「がいし」の世界シェアNo.1『日本ガイシ』も、このノリタケから分社した会社だったりする。すごいなノリタケファミリー。
ノリタケが運営する『ノリタケの森』は、名駅から徒歩15分のところにある市民の憩いの場。赤レンガの建物と緑に囲まれて、ゆったりした時間を過ごせる素敵スポットだ。
立ち並ぶ赤レンガの建物と煙突は、会社が設立された1904年から1975年まで実際に稼働していたもの。経済産業省の「近代化産業遺産」・名古屋市の「認定地域構造物資産」にも登録されている。
また、ノリタケの森全体が2003年度のグッドデザイン賞(建築・環境デザイン部門)を受賞していたりするよ。
ちなみに、「ノリタケ」というのは別に創業者の苗字とかではなく、創業の地である愛知県愛知郡鷹場村大字則武(現在の名古屋市中村区則武)という地名から来ているんだって。
イーストゲートから入ってまっすぐ奥にある建物は、1・2階が『クラフトセンター』、3・4階は『ノリタケミュージアム』という施設になっている。
『クラフトセンター』では、実際に職人さんが手作業で食器を仕上げる様子が見られるほか、自分オリジナルのノリタケが作れる「絵付け体験」ができる。
3・4階の『ノリタケミュージアム』は、その名の通りノリタケの製品がずらっと並ぶ美術館。明治から昭和初期にかけて製造されていた『オールドノリタケ』シリーズや画帖(デザイン画)などが展示されている。
ノリタケの食器に限らず、絵画・彫刻など幅広いアートが楽しめるギャラリースペース。
プロの芸術家はもちろんアマチュアの人でも、個人・団体、年齢、性別、国籍を問わず、自分の作品発表の場として利用できるんだとか。
ノリタケの食器はもちろん、テーブル周りの雑貨や調理用品などを取り揃えている雑貨店。イベントスペースでは「心地よい暮らし」をテーマにしたワークショップやセミナーが開催されている。
ショップ内のアウトレットコーナーでは、廃盤となってしまったものや日本で販売されていない商品をお手頃価格で購入できる。ノリタケの食器をお得に手に入れたい方は要チェキだ。
ノリタケスクエア名古屋に併設された『CAFE DIAMOND DAYS』は、ノリタケが提案する「テーブルから広がる心地よい暮らし」をそのまま形にした、ナチュラルな雰囲気のカフェ。
こんなオシャレ空間・オシャレ食器でお茶しばいたりなんかした日には『こんな部屋に住みたい!』『こんなインテリア置きたい!』『ノリタケ食器揃えたい!』ってなるに決まってる。
そして隣にはショップスペース。なんて巧妙なビジネスなんだ…。
名古屋駅からほど近いノリタケの森では、緑に囲まれた広いスペースを生かしてさまざまなイベントが行われている。
植物や園芸品、雑貨やアンティークなどのお店が集まる『GoGreenMarket(通称GGM)』や、夏休みイベント『ノリタケの森に恐竜がやってきた』、ノリタケのオシャレなティーカップで15種類の紅茶が飲み放題『Afternoontea Land (アフタヌーンティーランド)』など、開催されるイベントの幅も広い。
GGM公式サイト
ノリタケの森に恐竜がやってきたⅣ
Afternoontea Land 公式Twitter
週末には、ワークショップやガイドツアーなどが開催されることも。
工場見学とかお好きな方はこちらもぜひチェックしてみてね。
ノリタケの森 – イベント情報
ショップやギャラリーももちろん楽しいんだけど、ノリタケの森の魅力はやっぱりそのロケーションの良さだ。
赤レンガの建物が並ぶその眺めは、横浜の赤レンガ倉庫にだって引けを取らない(感じ方には個人差があります)。
噴水やベンチなんかもあったりして、ヨーロッパの広場みたいでテンション上がるよね。ヨーロッパの広場とか行ったことないけどね。
とにかくそういう雰囲気が好きな人はぜひノリタケの森に足を運んで、名古屋の「モノづくり」の心に触れてみてほしい。
同じく愛知の産業観光を支えるトヨタ産業技術記念館についての記事はコチラ↓
トヨタ産業技術記念館 – 親子でワクワク!トヨタ産業技術記念館に行こう
トヨタ産業技術記念館・ノリタケの森クラフトセンター、1枚で両方入れる共通券もあるよ!
名古屋の街は、もうすっかりクリスマス一色。名古屋駅からほど近いノリタケの森でも、クリスマスイベントが開催中だ。
その名も、ノリタケの森の冬の風物詩『クリスマスガーデン2018』。きらびやかなクリスマスイルミネーションがノリタケの森を彩る。
期間:2018年11月10日(土)~2018年12月25日(火)
都会のイルミネーションとはまたひと味違った森のイルミネーションを楽しみつつ、ショップでクリスマスギフトを選ぶ…なんていう過ごし方もいいかもしれないね。
Map/Info