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メナード美術館 葛飾応為の貴重な作品も!芸術の秋はメナード美術館へ

芸術の秋…じゃなくても、メナード美術館へどうぞ

どうしよう。

冬、寒い。

 

今年の夏はものすごく暑かった。その名残なのか、12月の初めもけっこう暖かかったから「今年の冬は暖冬かあ」つって完全に油断してた。急に本気出してきたよ、冬。
やめてくれよ、まだ冬支度ぜんぜん済んでないんだから。あ、ヒートテックが足りない。買いに行かなきゃ。

 

ここ最近「今年、ちゃんと“秋”来た?」みたいな年が続いたけど、今年は比較的“秋”を感じる期間が長かった…ような気がする。
それなのに、秋っぽいことを何もしないまま今年も終わってしまった。スポーツもしてないし読書もしてない。ご飯はいつでもおいしいけどね。

スポーツするにはもう寒いから、美術館にでも行こうかな。いつの間にか終わってた「芸術の秋」への追悼の意も込めて。
てなわけで、今回は愛知県小牧市にある『メナード美術館』を紹介するよ。

 

来年は、ちゃんと紅葉とか観に行きたいなあ……。

 

メナード美術館とは?

化粧品のイメージ
名古屋市中区に本社を置く化粧品メーカー『日本メナード化粧品』。
ダリヤ工業(現ダリヤ)の訪問販売化粧品部門が分離する形で、1959年に創業した。歴代CMキャラクターには岩下志麻、深田恭子、竹内涼真などが起用されている。

ちなみに、メナード化粧品は名古屋ウィメンズマラソン・名古屋シティマラソンのゴールドスポンサーでもある。ウィメンズマラソンのランナーには、参加賞としてオリジナルパッケージの化粧品が進呈されるんだって。
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メナード美術館は、その名の通りメナード化粧品が運営する美術館だ。
メナード化粧品の創設者である野々川大介・美寿子夫妻のコレクションを中心に、約1,500点以上の美術品を所蔵している。

印象派以降のヨーロッパ絵画、明治~現在までの日本画、彫刻、工芸、古美術などなど、コレクションのジャンルも多彩。ゴッホ、ピカソ、東洲斎写楽、葛飾北斎といった巨匠たちの作品も多く展示されている。

けして大きい美術館ではないけれど、見ごたえは十分。美術館が好きな人はもちろん、「普段あんまり美術館なんて行かない…」とか、「大きい美術館は回りきる前に疲れちゃう!」って人にもオススメだよ。

 

光の浮世絵師、葛飾応為

父譲りの天才画家

メナード美術館の所蔵品の中には、画狂老人卍こと葛飾北斎の娘・葛飾応為(本名:栄)の作品がある。

応為の現存作品は10点前後とかなり貴重なうえ、国内で彼女の作品を所蔵している美術館は『東京国立博物館(東京・上野)』と『太田記念美術館(東京・渋谷)』、そしてこのメナード美術館だけなんだ。これってけっこうすごいことじゃない?

※長野県小布施の『北斎館』にも応為の作品が展示されているんだけど、これは個人蔵の作品が寄託されたものなので、正確には「所蔵」ではないんだって。

「応為」という号の由来は、「為一(北斎の数ある号のうちの一つ)に応じる」の意で「応為」を名乗ったという説から、父・北斎が彼女を「おーい、おーい」と呼んだのをそのまま号にしちゃったなんていう説まである。

 

父譲りの才能と、男勝りな性格の持ち主だった応為。
一度は同じく絵師を生業とする男と結婚したものの、夫の作品を指さして笑ったために離縁された…なんてエピソードも残っている。

出戻った応為は北斎と生活を共にし、生涯の相棒として画業に専念したんだそうな。その絵の腕前はかなりのもので、北斎をして「美人画を描かせたら応為には敵わない」と言わしめたほどなんだとか。

絵の腕はピカイチ、家事はからっきし

葛飾北斎といえば、生涯に93回も引っ越しをした“引っ越し魔”として有名だ。

というのも、北斎も応為も家事(特に片づけ)が壊滅的にできない人で、散らかすだけ散らかして足の踏み場がなくなったら引っ越す…というのを繰り返していたらしい。
ひどいときには1日に3度引っ越したというから相当だ。どんだけ散らかし屋さんなんだよ。

応為が夫に離縁されたのは、「日がな一日絵を描いていて、まったく家事をしない」ことも理由のひとつだったとかなんとか…

無款の名作『夜桜美人図』

メナード美術館が所蔵する応為の作品『夜桜美人図』は無款の(作家のサインがない)作品。しかし、独特な光の表現や人物描写などが彼女の他作品と共通することから、応為の作であることはほぼ間違いないと言われている。

暗闇の中に浮かび上がる灯篭と、その光に照らされた桜と女性の表現がとても綺麗な作品だ。「地味」「のっぺりしてる」みたいな浮世絵のイメージをガラッと変えてくれること間違いなし。

この『夜桜美人図』を見ると分かるように、葛飾応為は明暗の対比を利用して印象的な光を表現するのが得意だった。
そこから『光の浮世絵師』『江戸のレンブラント』なんて異名もあったりする。

ここで『夜桜美人図』の図版が見られるよ。良いな~と思ったらぜひ本物を見に行ってみてね。
※特別展などの都合で展示されていない場合もあります
葛飾応為《夜桜美人図》日本画コレクション – メナード美術館

 

芸術の香り?メナード美術館のアーティストフレグランス

香水のイメージ
美術館の展示をひととおり回ったあとの楽しみ、それはミュージアムショップ。図録・絵はがきといった定番のグッズや個性的なお土産の数々は、展示室に並ぶ美術品にも負けず劣らず魅力的なものばかりだ。

メナード美術館のミュージアムショップ名物は、メナード美術館が所蔵する作品の世界観を表現した香水『アーティストフレグランス』。
さすがはメナード、美術館のグッズに香水とはなかなかシャレたことをなさる。

現在のラインナップは、日本画家・田渕俊夫の繊細な作品をイメージした『緑映(りょくえい)』、洋画家・島田章三の造形世界を表現した『重ね香(かさねか)』、島田章三の妻で同じく洋画家・島田鮎子の世界観を形にした『たおや香(たおやか)』の3つ。

メナード美術館のミュージアムショップには、フレグランスの他にもオシャレでかわいいお土産がいっぱい。通販もあるので、興味がある人は覗いてみてね。
ミュージアム・ショップ メナード美術館

 

秋じゃなくても楽しい、メナード美術館

『美術鑑賞』っていうと、なんだかすごく高尚な趣味!って感じがしてハードルが高く感じる人も多いんじゃないかと思う。
確かに、えらいひとたちが言うような「作品の価値」を理解するためには、美術の歴史だとか、作品の題材だとか、その作家がどういう人生を歩んだ人だったのか…とか、勉強しなくちゃいけないことが多いんだよね。

でも安心してほしい。

言ってしまえば、そういう勉強や研究は学者の仕事だ。学者でもなんでもない僕たちは、自分が作品を見て感じた「綺麗だな」とか「これ好きだな」とか、「よくわかんないけど面白いな」っていう気持ちを大事にすればいい。
それが自分にとっての「作品の価値」になるわけだからね。

というわけだから、みんな気軽に美術館に遊びに行ってみてね。メナード美術館では、芸術の秋以外の季節もいろいろな展覧会が開催されてるよ。

メナード美術館 開催中・開催予定の展覧会情報(2019年1月現在)

開催中

『所蔵企画展 空の情景 #skyscrape_menard』
会期:2019年1月2日(水)~2019年3月31日

開催予定

『所蔵企画展 シャガール マティス ルオー 三人の画家の版画集』
会期:2019年4月11日~2019年6月30日

『なつやすみ所蔵企画展 光と影』
会期:2019年7月6日~2019年9月23日

『メナード美術館コレクション名作展』
会期:2019年10月4日~2019年12月22日

 

Map/Info

名称
メナード美術館
住所
愛知県小牧市小牧5丁目250
営業時間
10:00~17:00(月曜定休)
電話番号
0568-75-5787
公式サイト
https://museum.menard.co.jp/

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