スクリーンという平面を介して、目の前に広がる非日常。
心揺さぶる音楽と役者たちの息遣い、銀幕の世界の空気感。
ウキウキで買ったポップコーンを食べることも忘れて感動に震え、ため息とともにエンドロールを見送り、胸の高鳴りを抑えつつ映画館を後にする。
そんな経験が、あなたにはあるだろうか。
僕にはある。割としょっちゅうある。
ディズニー映画なんて見た日には開始10分で泣く。
その涙腺の脆弱さは、一緒に映画を観に行った友人および自分も若干引くレベルだ。最近だと「グレイテスト・ショーマン」の冒頭15秒で泣いた。なんなんだあのエモすぎる導入は。
そんなわけで、映画館に行くと十中八九ビショビショに泣いて帰るわけだけど、これは僕の感受性がオープンすぎることだけが問題ではない。と思いたい。
たとえ全米が泣いた映画だって、DVD借りてきて家で観てたら「ふーん」で終わったり、あげくの果てには途中で寝落ちたり。
ない?僕にはある。割としょっちゅうある。
なにが言いたいかというと、環境って大事だよねってこと。最高画質の大画面に、臨場感あふれる音響。映画だけに集中できる環境で観るからこそ、映画は最高のパフォーマンスを発揮する。
そう、全米は映画館でこそ泣くのだ。
名古屋で映画を観るっていうと、名古屋駅直結のミッドランドスクエアシネマ、もしくはささしまの109シネマズあたりが定番だと思う。
「定番」という言葉が親の仇より嫌いだ!というちょっと天邪鬼なそこのあなたには、ミニシアターがおススメだ。
ミニシアターはその名の通り、小規模な映画館のこと。名古屋には魅力的なミニシアターが揃っているので、普通の映画館に飽きちゃった人にはぜひ訪れてほしい。
言わずと知れた、名古屋のミニシアター代表『伏見ミリオン座』。
「ミリオン」っていうのは、前身となる映画館ができた1950年に名古屋市の人口が100万人を超えたことを記念したネーミングなんだそうだ。
伏見ミリオン座といえば。一部界隈で大変なお祭り騒ぎを起こした「バーフバリ」という映画をご存じだろうか?
伏見ミリオン座では「バーフバリ2本立てオールナイト絶叫&マサラ上映」という、「盛りすぎでは?」の一言に尽きる上映会が行われた。
「マサラ上映」はいわば応援上映の上位互換で、発声・鳴り物・コスプレなどなどなんでもありの上映会。マヒシュマティ国民大歓喜。
ワンランク上(次元が)の映画の楽しみ方をしたいなら、伏見ミリオン座は要チェックだ。
詳しくはコチラ:映画屋どっとcom 伏見ミリオン座
バーフバリ盛りすぎ上映についてはコチラ:『“バーフバリ”2本立て オールナイト 絶叫&マサラ上映』
若い映画監督が自由に作った映画を上映する、そのための場を提供することを目的に作られたミニシアターが『シネマスコーレ』だ。
開館当初はピンク映画(詳細については各自ググってくれ)、その他もろもろマニア向けの作品を上演していた。日本で初めて3Dシステムを導入したミニシアターでもある。
男性陣の中には、「なぜレディースデーがあってメンズデーがないんだ」と地団太を踏んだ経験がおありの方も多いと思う。なんとシネマスコーレでは、毎週月曜は男性会員サービスデー。会員限定ではあるが、1,000円で映画を観ることができる。やったね!
公式サイト:名古屋の映画館 シネマスコーレ
かつて「映画の街」と呼ばれた今池にいまだ残る、名古屋最古参のミニシアター。もとは映画の自主上演会から発展した、いわば「映画館の先駆け」的存在。キャパは少なめだが、いざとなればパイプ椅子や座布団そして立ち見と、ありとあらゆる手を使って客を入れる手腕に老舗ならではの情熱を感じる。
併設された映画図書館は約6,000冊の蔵書を誇り、シネマテークの会員は無料で借りることができる。
公式サイト:名古屋シネマテーク
館によって上映作品のジャンルが違ったり、独自のサービスを展開していたりという個性の強さが魅力のミニシアター。お気に入りのミニシアターを見つけて、映画通気分を味わうのも楽しいかもしれない。
映画鑑賞の際は、最高の環境を提供してくれる映画館への感謝と、ポップコーンも忘れずに。
僕も今週末あたり、名古屋のミニシアターに行こうと思う。ビショビショに号泣しに。
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