僕が通っていた大学に行くには、東山線で本山駅まで行って乗り換えをしないといけなかった。
でも寝てたりぼーっとしてたりして本山を通り過ぎ、お隣の東山公園駅まで行ってしまうことが月に3回くらいのペースであった。
地下鉄の駅なんてどこも変わり映えのしない光景だ(だから寝過ごしたときに一瞬どこの駅か分からなくて焦る)けど、東山公園駅は違う。
ホームの壁一面に動物や植物が描かれていて、わざわざ駅名の表示を見なくても東山公園駅だと一目で分かるのだ。
そんな愉快な内装のわけは、駅の3番出口を出てみればわかる。
何を隠そう東山公園駅は、東山動植物園の最寄り駅なのだ。
東山動植物園は、日本一の飼育種類数と日本最大級の敷地面積を誇る動植物園。
そして東山動植物園といえば、イケメンゴリラ「シャバーニ」。
彼の人気はすさまじく、なんと写真集まで出ているらしい。若手俳優かよ。そのうち握手会とか開催されるんじゃなかろうか。ゴリラと握手なんかしたら、まずこちらの手は無事じゃすまないだろうけど。
そんなイケメンゴリラ以外にも、東山動植物園にはゆかいなフレンズがたくさん揃っている。その一部をご紹介しよう。
1日の4分の3を寝て過ごす動物園のアイドル、コアラ。
なんでそんなに寝てばっかいるのかというと、コアラの主食であるユーカリにほぼ栄養がないから。エネルギーを節約するために、極力動かないようにしているんだそうな。じゃあもうちょっと栄養のあるもの食べなよ。
その上ユーカリにもいろいろ種類があって、コアラはユーカリの好き嫌いをするらしい。なんてやつだ。そんなんじゃ大きくなれませんよ!
「寝てる姿もかわいいけど、せっかく行くなら元気に動いているコアラが観たい」という方は、餌やりの時間(13時頃)を狙っていくのがおすすめ。
東山動物園は、ネコ科動物の飼育数が多いことでも知られている。
百獣の王ライオンをはじめなんともいえない愛嬌のあるマヌルネコ、ネコなのに泳ぎが得意なスナドリネコ、なにかと話題になったサーバルキャットに絶滅危惧種のユキヒョウなどなど大充実のラインナップ。
2015年の2月22日、つまり猫の日には「ネコ科動物ツアー」なるイベントが開催されたこともある。猫大好き人間としてはぜひ毎年やっていただきたいイベントだ。
あんなにカッコいいライオンも、いってみれば大きい猫なんだもんなあ。
特大猫じゃらしにじゃれつくところとか見てみたい。絶対かわいい。
東山動植物園には、水族館がある。
水族館が好きすぎるあまり頭がおかしくなったわけではないから安心してほしい。本当にあるんだ。ほんとだってば。
その水族館というのが、「世界のメダカ館」。メダカをはじめとした淡水魚を集めた水族館だ。現在生息が確認されている36種類のうち27種類のメダカが展示されている。そもそもメダカってそんなに種類いるんだね。
メダカ館のスタッフが発見した新種のメダカ「ティウメダカ」もここで見ることができる。
園内のレストランやカフェでは、動物園のアイドルたるコアラをイメージしたコアラカレーやコアラアイス、名古屋コーチン入りの殿様コロッケカレーにゾウを模したゾウさんソフトなど、動物園ならではの愉快なメニューが味わえる。
カレーとアイスしかないのか?と思われた方、ご安心ください。食べ歩きにぴったりな唐揚げやチュロスなんかもございます。
ちなみにモーニングサービスもやっている模様。
動物園でもモーニングとは、さすが名古屋というべきか……。
東山動植物園は、大きく分けて動物園エリア、植物園エリア、遊園地エリアの3つに分かれている。
そのうちの植物園エリアでは、かつて「東洋一の水晶宮」と呼ばれた日本最古の大温室や日本庭園、湿地園にビオトープとさまざまな庭園を楽しむことができる。また、植物園エリアの一角にある「小鳥とリスの森」や「こども動物園」では動物とのふれあいも楽しめる。
遊園地エリアには、ジェットコースターやメリーゴーランド、ティーカップなど“The!遊園地!”って感じのアトラクションが一通り揃っている。
それに加えて「ふしぎ探検の館」や「ビックリハウス」など、ちょっと不気味な感じのアトラクションも並ぶ。
何が不気味って、東山公園協会のホームページにあるアトラクションの説明文。
“ふしぎふしぎ あーらふしぎ 何がふしぎか来てのお楽しみ。”
“ピエロの鼻から今日も大きな声が聞こえるよ…”
不気味さしかない。こわい。
詳しくはコチラ:東山公園協会 遊園地マップ
動物園エリアだけでもかなり広い上、植物園や遊園地などなど盛りだくさんの東山動植物園。全部楽しもうと思ったら確実に1日では足りない。王道の動物園もいいけど、たまにはあえて植物園や遊園地メインで楽しむのもアリかもしれない。
ふしぎの館はなにがふしぎなのか、ピエロの鼻から聞こえるのは一体誰の断末魔なんだろうかとか、その辺も気になるしね。
Map/Info