愛知・名古屋で日本初開催となる第5回アジアパラ競技大会は、10月18日の夜、名古屋・瑞穂のスタジアムで開会式の幕を開ける。「行ってみたいけど、何を準備すればいいのかわからない」「会場に行けないけど、どこで見られるんだろう」。そんな声が、周りからもちらほら聞こえてくるようになった。
この記事では、開会式の日時、演出コンセプト、チケット、アクセス、視聴方法を整理した。

まずは土台になる情報から。いつ、どこで、どんな顔ぶれが集まる式なのかを押さえておくと、このあとの話がぐっと読みやすくなる。
開会式は10月18日(日)の18時開始で、会場は名古屋市瑞穂区のパロマ瑞穂スタジアム(名古屋市瑞穂公園陸上競技場)だ。9月に開かれたアジア競技大会の開会式と同じスタジアムで、アジアパラ競技大会の観戦ガイドでは、16時までに入場するよう案内されている。開場時刻そのものを示した公式のタイムテーブルは確認できなかったので、直前に大会公式サイトも見ておいてほしい。
このスタジアムは、開会式のあともパラ陸上の舞台になる。パラ陸上は10月19日から23日にかけて同じ瑞穂で行われる。開会式でスタジアムの空気を知っておくと、翌日からの競技がもっと面白くなるはずだ。
会場の話はここまでにして、次は式典に臨む選手団と、大会の規模を見てみよう。
今大会には45の国と地域から、選手・役員あわせて最大4千人が参加する。実施されるのは18競技、約500種目。日本選手団は285人で、視覚障がいのある選手と一緒に走るガイドランナーなどの競技パートナー15人も加わる(10月8日時点)。
日本選手団の旗手は、車いすラグビーの橋本勝也選手と、陸上の中川もえ選手が務める。それぞれの競技で戦ってきたアスリートが、スタンドの前を行進する。想像するだけで胸が高鳴る。
もうひとつ、式典の格を示すニュースがある。共同通信の報道によると、宮内庁は天皇陛下が開会式に出席して開会を宣言される予定だと発表した。秋篠宮ご夫妻も出席される予定で、翌19日には、陛下が豊田市のスカイホール豊田でパラ卓球を観戦される。
では、肝心の式典の中身はどうなっているのか。次のセクションで、発表されている範囲を見ていく。

開会式と聞くと、有名アーティストの出演や派手な演出を思い浮かべる人も多いと思う。ただ、今回の式典は少し違う角度から語られている。まずはコンセプトから。
組織委員会は、開幕100日前の7月12日に名古屋市のオアシス21で行ったセレモニーで、開閉会式のコンセプトを発表した。そのコンセプトは「WABI – We Are Beautiful Individuals」。一人ひとりの異なる強さや違いを掛け合わせて、共に面白い未来をつくっていこう、という思いが込められているという。
パラスポーツを取材してきた佐々木延江さんのYahoo!ニュースの寄稿では、これを「違うまま、一緒に」と言い換えている。日本の美意識である「わび」とも重ねられ、大会全体のスローガン「IMAGINE ONE HEART」を、一人ひとりの違いから捉え直す言葉だと説明されている。
この「違いを掛け合わせて、新しいものを作る」という考え方は、競技を見るときにも当てはまると思う。義足、車いす、競技用具、ガイドランナーとの連携。それぞれの条件の違いが、競技ごとの戦い方や技術の違いを生んでいる。違いこそが競技の面白さだ、という見方に、私はとても共感した。
コンセプトの次は、それを形にするつくり手たちの話にいこう。
式典の中身を考えるうえで、誰が作っているのかは大きなヒントになる。分かっている範囲で書いておく。
開閉会式の総合プロデューサーは、アーティストの栗栖良依さん、演出統括はダンサーの森山開次さんだ。中日BIZナビの記事によると、組織委員会が2025年12月22日に発表した体制で、2人はともに東京パラリンピックに携わった経験を持つ。
前述の佐々木さんの寄稿によると、栗栖さんは式典を「見るもの」から「みんなで作るもの」にしたいという方針を語り、愛知の焼き物や織物といったものづくりの文化を取り入れる考えも示した。また、聖火台は愛知の土を使い、愛知の職人や障がいのある人・ない人、市民が一緒に制作する構想だと伝えられている。
では、気になる出演者や演出の中身はどうなのか。
私が確認できた範囲では、アジアパラの開会式としての出演者や具体的な演出内容の発表は見つけられなかった。9月のアジア競技大会の開会式では、開幕の約9日前に出演者が発表されたので、これから情報が出てくる可能性はある。ただ、現時点で「誰が出る」と書くことはできない。大会公式サイトのニュース欄を、こまめにのぞいてほしい。
式典の概要が見えてきたところで、実際に足を運びたい人のために、チケットの話に進もう。

開会式の観戦には、チケットを買うだけでは足りない。事前の登録と当日の本人確認が必須なので、ここは特に丁寧に書いておく。
観戦ガイドでは、アジアパラの開会式の席種と価格は、A席30,000円、B席15,000円、C席8,500円、D席5,500円と紹介されている。子ども料金(15歳未満)は3,000円だ。9月のアジア競技大会の開会式とは価格が違うので、混同しないようにしたい。なお、大会公式の価格表そのものは確認できなかったため、購入の前に公式のチケットサイトで最終確認をお願いしたい。
販売状況については、組織委員会が10月8日に発表した、7日時点の状況を共同通信が報じている。開閉会式と陸上、アーチェリーなど6競技は、販売率が6割未満にとどまっているという。組織委員会は「まだチケットに余裕のある競技もある」として、購入を呼びかけている。開会式だけの数字は分からないが、今から検討しても間に合う可能性はある。
買ったあとにやるべきことが、実は一番大事だ。
開会式への来場には、チケット1枚につき1名ずつの来場者情報登録が必要だ。登録サイトの案内によると、開会式の登録期間は9月25日(金)12時から10月16日(金)23時59分まで。期日までに登録がない場合や、会場で本人確認ができない場合は入場できない。複数枚を買った場合は、同行者それぞれに登録してもらう必要がある。
当日に使える本人確認書類を、案内に沿って整理しておく。
なお、開会式のチケットのリセール受付は9月23日で終了している。チケットの譲渡で手に入れる方法は、もう使えないと考えておこう。
チケットの買い方には、障がいのある人や車いすを使う人向けの選択肢もある。
大会公式のチケット販売概要には、一般チケットのほかに、子供料金、障害者料金(公式の名称)、車いすチケットが用意されていると書かれている。車いすチケットは、車いす使用者と同伴者1名が一緒に観戦でき、同伴者1名分の料金は無料だ。障害者料金は障害者手帳を持つ人が対象で、最下位席種のみ、同伴者も対象になる。
開会式での車いす席の位置や具体的な価格は、今回の確認では分からなかった。気になる人は、公式チケットサイトの案内を見てほしい。
チケットが用意できたら、次は会場までの道のりを考えよう。

瑞穂のスタジアムは、地下鉄で行ける便利な場所にある。ただ、開会式の日は競技日と勝手が違うので、少しだけ注意が必要だ。
愛知県の会場アクセス案内(アジア競技大会の開閉会式向けのページだが、会場は同じ)によると、最寄りの駅と徒歩時間は次のとおり。
観客用の駐車場と駐輪場はなく、車や自転車での来場は控えるよう案内されている。周辺は駐車禁止の取り締まりも行われているので、公共交通機関で行くのが大前提だ。また、開閉会式の日は競技時と入場ゲートが異なる。アジアパラ向けの案内は愛知県のアジアパラ観客向けページでも確認できるので、出かける前に目を通しておこう。
バリアフリーの情報についても、行く前に確認できるものがある。
愛知県は、障がいのある当事者と一緒に、競技会場や周辺の「バリアフリー&おもてなしマップ」を作成している。県のページには、瑞穂公園陸上競技場のマップ(パラ陸上のもの)もあり、エレベーターやトイレの設置状況、バリアの程度などが載っている。車いすで行く人、ベビーカーで行く人、足腰に不安のある人は、一度見ておくと安心だ。
県のページには、開始前は混雑して入場できなくなる場合もあること、熱中症への備えが必要なことも書かれている。出かける前に確認したいことを、最後にまとめておく。
ここまでは現地に行く人向けの話だった。次は、スタジアムに行けない人のための視聴方法を見てみよう。
遠方にいたり、予定が合わなかったりする人も多いだろう。ここでは、確認できた放送・配信の情報を正直に書いておく。
中京テレビ(日本テレビ系)は、アジアパラ競技大会の地上波生中継の放送権を持っている。ただ、同局の特設サイトに載っている放送予定を見ると、開会式の生中継枠は見当たらない。10月14日から順次ミニ番組が放送され、10月18日は21時54分から22時までの6分間の枠がある。生放送の特別番組は、10月19日(月)から24日(土)の午前に組まれている。
配信は、放送エリア外向けにTVerで特別番組が生配信される予定で、Locipoでの配信も決まっている(詳細は後日公開)。つまり、開会式そのものを生中継で見られるかは、現時点では確認できていない。放送が決まれば情報が更新されるはずなので、中京テレビの特設サイトと大会公式サイトをこまめに確認してほしい。
ここまでの内容を踏まえて、よく聞かれそうな疑問を最後にまとめておこう。
ここまでの内容で気になったことがあれば、まず下の質問を見てほしい。短くまとめてある。
10月18日(日)の18時から、名古屋市瑞穂区のパロマ瑞穂スタジアム(名古屋市瑞穂公園陸上競技場)で行われる。観戦ガイドでは、16時までに入場するよう案内されている。
組織委員会は、開閉会式を含む一部でチケットに余裕があるとして購入を呼びかけている(10月7日時点の販売状況)。購入は公式のチケットサイトから行い、買ったあとは10月16日(金)23時59分までに来場者情報の登録が必要だ。
チケットと、登録時に申請した種類の本人確認書類の原本が必要になる。顔写真付きの公的証明書なら1点、そうでない場合は2点だ。書類を持っていない、あるいは本人確認ができない場合は入場できない。
中京テレビが地上波の生中継権を持つが、同局の公式サイトで開会式の生中継枠は確認できなかった。10月18日の夜にミニ番組(21時54分から6分間)の放送があり、10月19日からは午前の生放送特別番組が組まれている。TVerでの配信も予定されている。
調べてみて感じたのは、今回の開会式が「見せられる式典」ではなく「みんなで作る式典」を目指している、ということだった。WABIの「違うまま、一緒に」という言葉は、スタンドに座る私たち観客にも向けられているのだと思う。
出演者の発表や放送の詳細など、まだ動く情報もある。直前になるほど新しい発表が出てくるはずなので、大会公式サイトと愛知県のページをこまめに見ながら、準備を進めてほしい。スタジアムで、あるいは画面の前で、入場してくる各国・地域のアスリートたちを、拍手で迎えたい。