てるてる坊主をたくさん作り、
部屋の窓際に逆さに吊るす。
雨が降ってほしくて仕方がない。そんな日が、小学生時代の僕には年に二度ほどあった。
遠足の日だ。
なんでそんなことをしてたかって、別に遠足が嫌いだからとか、集団行動が苦手だからとか、そういうわけじゃなかった。確かに集団行動は苦手だけど。
僕は、水族館が大好きだった。家族で水族館に行った帰りに「はあ～水族館行きたい」と呟き、親をドン引きさせたくらい大好きだった。今でもその気持ちは変わらない。はあ～水族館行きたい。毎日行きたい。むしろ住みたい。
そして僕の通っていた小学校では、晴天か雨天かで遠足の行先が変わることが多かった。その雨天時の行先というのが、ほぼ必ずと言っていいほど名古屋港水族館だったのだ。
だから僕は祈った。名古屋港水族館に行きたいがためだけに、遠足の日ピンポイントで雨が降るように祈った。
たとえ晴天時の行先がナガシマスパーランドだろうと、モンキーパークだろうと、愛知こどもの国だろうと、僕は雨を望んだ。
遠足の日に雨が降ることは、ついぞなかった。
思い出したら悔しくなってきた。あんなに頑張って祈ったのに、一回たりとも雨は降らなかった。なぜだ。どうしてだ。神は死んだのか。
まあ普通に考えて遠足の日に雨降らせたい小学生なんて僕くらいだったろうし、数で負けたんだろうな。遊園地楽しくねーんだよなあ、なぜなら僕は絶叫系に乗れないから。
悔しいので、今回は名古屋港水族館について語ろうと思う。3日くらいかけて。
名古屋港水族館はその名の通り、名古屋港にある水族館。日本最大級の水族館ということもあって、とても幅広い種類の生き物を観ることができる。
国内でもまだ先例の少ない人工授精で生まれたイルカがいたり、アデリーペンギンの繁殖に日本で初めて成功してたりと、けっこうすごい水族館。
そして「人類最期の食糧資源」との呼び声高いナンキョクオキアミ、これを常設展示しているのはなんと世界で唯一名古屋港水族館だけ。
ナンキョクオキアミファンはもう行くしかないよね。
ナンキョクオキアミファンの方はコチラもどうぞ：世界で唯一の水族館展示 ナンキョクオキアミを追加搬入しました
名古屋港水族館は、入場ゲートくぐってすぐに出迎えてくれるイルカやシャチ、イワシのトルネード、熱帯の海を再現したサンゴ礁の水槽などなど魅力的な展示にあふれている。
生き物以外の展示もいろいろ面白いんだけど、中でも強烈なのが『古代の潜水』。見たことのある人には分かってもらえるだろう、多くの子供たちにトラウマを植え付けてきたアレだ。
ご存じない方のために簡単にそのビジュアルを説明すると、パッと見はエイリアンだ。大人になった今でも怖い。
そろそろいるぞ…って構えててもいざ目の前にするとほんとに怖い。しかもそれが、薄暗いスロープの曲がり角に置いてあるからマジでタチが悪い。なんであそこに置いたんだろう。悪意しか感じない。
トラウマといえば、名古屋港水族館の隣に展示されている『南極観測船ふじ』もなかなかに怖い。実際に南極探索に使われた船の内部を見学できる施設なんだけど、船内にずらっと並ぶリアルなマネキンたちが怖いのなんの。
何が怖いって、みんな絶妙に目の焦点が合ってない。
これがもしホラーゲームだったら絶対出口開かないやつだし、マネキンたちが一斉に動き出して襲いかかってくるパターンのやつだ。こわい。
毎年、夏休みの時期になると「サマーナイトアクアリウム」と称したイベントが行われるのも名古屋港水族館の特徴の一つ。サマーナイトアクアリウムの期間中は閉館時間が通常の17時から20時に延び、夜空の下のイルカショー「ナイトパフォーマンス」が開催される。
こちらは不定期開催だけど、閉館後の名古屋港水族館でヨガをする「ナイトヨガ」なんて企画もある。
海の生き物を眺めるだけじゃない、いろんな楽しみ方ができる水族館。それが名古屋港水族館だ。
…夜の水族館。ホラーゲームだったら確実にさっきの「古代の潜水具」が動きだして館内うろついてる。見つかったら死ぬやつ。こわい。
そして名古屋港水族館は、愛知県屈指の(数少ないともいう)デートスポットのひとつでもある。
特に小学生から高校生のカップルに人気が高い。Yahoo!知恵袋で「名古屋港水族館」と検索しようものなら、恋に悩める子羊たちの質問の甘酸っぱさに心を殺されること請け合いだ。
3日かけて語ろうと思ったけどうっかり心が死んだから、今回はこの辺で勘弁してやる。
みんな水族館に行こう：名古屋港水族館公式サイト
名古屋港水族館では、11月27日(火)～12月25日(火)の期間中、『クリスマスアクアリウムイベント』を開催中。
イベント期間中は、サンゴ礁大水槽にサンタ衣装をまとったダイバーさんが現れる『ダイバーコミュニケーション』、クリスマスカラーの生き物たちをオーナメントに見立てて展示する企画展『アクアリウムグラスツリー』、12月15日(土)には黒潮大水槽をバックに『クリスマスアクアリウムコンサート』が行われるなど、館内がクリスマスモード一色となる。
さらに、12月24日(月祝)のクリスマスイブは営業時間が20時まで延長され(入館は19時まで)、『イルカのナイトパフォーマンス』が行われる。17時以降は個人入館料が2割引きだ。これはもう行くしかない。
クリスマスイブの夜は水族館でイルカショーを楽しもう。
詳しくはコチラ：名古屋港水族館 – 「クリスマスアクアリウムイベント」を開催します
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