僕は最初「よんかんどう」って読んだ。いやそれが普通だと思う。
正解は「しけみち」。
最悪だ、かすってすらない。せめて「道」の読みだけでも当てたかった。
いや読めるかこんなの。なんなら変換でも出ない。僕のスマホの予測変換だと「湿気道」になる。やだよそんなじめじめした道。
四間道とは、愛知県名古屋市西区を流れる堀川の西にある通りの名前。つまり地名だ。
そりゃ読めないわけだ、納得。地名と人名はダメだよ、当て字とニュアンスのオンパレードなんだもん。
ちなみに、この四間道がある名古屋市中村区~西区にまたがるエリアは「那古野(なごの)」という名前。名古屋の那古野。ややこしい。
※余談:ゆずの曲「四間道路」は「よんけんどうろ」と読むらしい。またひとつ賢くなったよ
関ヶ原の戦以前の尾張国は、清洲城とその城下町が拠点だった。
しかし、清州が地形的に水害に弱かったこと、1586年に発生した天正地震で一帯が液状化を起こしてしまったことなどからお引越しをすることに。そこで、お引越し先としてつくられたのが名古屋城だ。ちなみにこの清州から名古屋へのお引越しのことを「清州越し」と呼ぶ。
名古屋城の城下町には清洲から多くの商人が移り住み、にぎやかな商人街「名古屋」ができあがった。
しかしあるとき、この名古屋のまちで大きな火災があり、たくさんの建物が焼けてしまうということがあった。
この事態を重く見た当時の将軍徳川吉通は、火事が起きても被害が最小限で済むようにと道幅を4間(約7m)に広げさせた。
そこからこの通りを「四間道」と呼ぶようになったんだとか。
※同じく防火目的で作られた100m道路についてはコチラの記事で↓
100m道路 – 名古屋の街を走る100m道路
道幅を広げて延焼を防ぐことに加えて、石垣の上に土蔵を建てて防火壁代わりにしたり「屋根神さま」と呼ばれる火難除けの神様を屋根や軒下に祀ったりと、四間道のまちの火事対策は徹底的。
そのおかげか、名古屋大空襲の際にも壊滅的な被害は免れている四間道エリア。だから古い街並みがほぼ昔のまま残っていて、現在ではその古い建物を改装したカフェ、雑貨屋、居酒屋などの店舗が立ち並んでいる。
江戸時代から残る建物を改装した居酒屋。ロマンがあるよね。
その雰囲気だけでおいしいお酒が飲めそうだ。
四間道からすぐ近くに「円頓寺商店街」なる商店街がある。
読みは「えんどうじしょうてんがい」。うわ惜しい。「えんとんじ」って読んじゃった。やっぱ難しいよ地名は。
昭和の風情ただよう円頓寺商店街は、名古屋城下街の雰囲気を色濃く残す四間道とともに「名古屋駅からの徒歩散策コース」として注目されているスポットだ。
昭和30年代から続く「円頓寺七夕まつり」や着物姿のお客さんにサービスする「円頓寺・四間道界隈着物日和」、ヤマザキ春のパン祭りならぬ「円頓寺秋のパリ祭」などのイベントがこの商店街の目玉。
なんでパリかっていうと、円頓寺商店街とパリにある「パサージュ・デ・パノラマ」という商店街が姉妹提携を結んでいるから。
ちなみにパサージュ・デ・パノラマの方も、毎年夏に「GRAND MATSURI」という日本の食や文化を紹介する祭りを開催してくれている。
祭りでつながるパリと名古屋。なんだか不思議な感じ。
やっぱり納得できない。
なんで「四間」で「しけ」って読ませちゃったんだろう。百歩譲って「しけん」ならまだ分かるよ。「ん」はどこに置いてきちゃったのさ。
そういえば、名古屋ってなかなか初見殺しな地名が多い気がする。どこでもそうなのかもしれないけど。せっかくだから僕の知ってる範囲で紹介しよう。
「ごきそ」
なんで「所」を「そ」って読んじゃったかなあ。
「あらたまばし」
ちなみに僕は最初「しんずいばし」って読んだよ。ずいずいずっころばしの仲間かな?
「かしゃごこうえん」
なにこれ。読みが云々とかの前に字面がすごい。「ばけものごうこうえん」でしょこんなの。なにをどう頑張ったらこれが「かしゃごこうえん」になるんだ。
「鶴舞駅」は「つるまいえき」なのに「鶴舞公園」は「つるまこうえん」。なんなんだよ。統一してくれよ。
一社(いっしゃ)と上社(かみやしろ)、お前らもだかんな。
隣同士の駅じゃん。ちゃんと話し合って「社」の読み方合わせといてくれよ。もやもやするだろ。
※一社と上社の読み方問題についてはコチラの記事でも↓
地下鉄 – 乗るのが楽しみになる?名古屋地下鉄まめちしき
このもやもやを晴らすには、もう酒しかないな。
湿気道、じゃなくて四間道で、江戸の風情に浸りながら酒を飲もう。
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