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モーニングサービス “喫茶店の街”名古屋のモーニングサービス事情

名古屋人の1日は、喫茶店のモーニングから始まる

味噌カツエビフライスガキヤラーメンなどの「名古屋めし」に代表される、独自の食文化を誇る名古屋。そのなかでも、名古屋に暮らす人たちの生活になくてはならないのが「喫茶店」だ。

 

喫茶店で繰り広げられる、名古屋独自と言われる文化に「モーニング」というのがある。朝の時間帯(お店によって異なる)にコーヒーなどのドリンクを頼むと、パンやサラダなどの軽食がおまけでついてくるというサービス。いわば慈善事業だ。

 

名古屋人はコーヒーではなく『喫茶店』が好き

市内に約4000軒もの喫茶店が存在するといわれる名古屋。

そんな名古屋の民たちが喫茶店で使う金額は、年間約1万2000円ほどと言われている。ちなみに全国の平均は年間約6000円(総務省調べ)。つまり名古屋の人は、全国平均の2倍近い金額を喫茶店に貢いでいるという計算になる。どんだけ喫茶店好きなんだ名古屋人。

これだけ足しげく喫茶店に通ってるんだ、きっと名古屋人は相当コーヒーが好きなんだろう。もはや血の代わりにコーヒーが流れているのでは?
…と思うところだけど、実はそうでもなかったりする。名古屋市のコーヒーの年間消費量は、全国52都市の中で38位とかなり低い(総務庁調べ)。

名古屋の人はコーヒーが好きなのではなく、あくまで「喫茶店」が好きなのだ。

 

参考:総務省家計調査 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(平成27年~29年平均)

 

モーニングサービスの発祥地は名古屋ではなく一宮

モーニングサービスの発祥は、名古屋ではなく一宮だと言われている。

かつて紡績・繊維産業で栄えた一宮では、機織り機の大きな音が響く社内ではなく喫茶店で打ち合わせをするというのが一般的だった。朝早くから頑張るビジネスマンたちに、喫茶店のオーナーがゆで卵とピーナツをサービスしたのがモーニングの始まりなんだとか。

 

そして、モーニングサービスが一番豪華なのも断然一宮。さすがは発祥の地。

サービス内容は店によってさまざまで、中にはカラフルなケーキの盛り合わせや食べ応え十分なシチュードリアなど、思わず「ほんとにこれドリンク代だけでいいの?」と疑ってしまうような豪華なものまで揃っている。

 

名古屋にもあるよ!バラエティ豊かなモーニングサービス

確かに一宮のモーニングはすごいけど、名古屋だって負けちゃいない。個性的なモーニングサービスを行う名古屋の喫茶店をご紹介しよう。

 

『コメダ珈琲』のモーニング

まずは名古屋の喫茶店代表、みんな大好きコメダ珈琲。そんなコメダのモーニングは、お好きなドリンクにバターor苺ジャムが塗られた厚切りトースト半切れと、ゆで卵orたまごペーストor小倉あんの中から1つが付いてくるというシンプルなもの。

それだとちょっと物足りない…って人にはサイドメニュー追加がおすすめ。コメダ特製ドレッシングがおいしいコールスローサラダ(150円)、はちみつたっぷりのヨーグルト(120円)で一気にオシャレ朝食に格上げしちゃおう。

 

『白壁カフェ花ごよみ』のモーニング

閑静な住宅街にたたずむ和風カフェ「白壁カフェ花ごよみ」。モーニングでドリンクを頼むとトーストorおにぎりor冷やし茶漬け(春夏)orお粥(秋冬)の中から1つと、サラダと茶碗蒸しがついてくる。

名古屋のモーニングというと「小倉トーストにゆで卵」なんてイメージが強いかもしれないけど、ここのモーニングは“和風モーニング”。ほっこり優しいお茶漬けやお粥は、朝のまだ寝ぼけたお腹にもうれしい朝ごはんだ。「朝はぜったい和食がいい!」という方には特におススメ。

 

『シャンテーコジマ』のモーニング

天白区の「シャンテーコジマ」は、100種類以上のパンと30種類以上のケーキを取りそろえるベーカリー。ここのモーニングの目玉は、前日に焼きすぎて余ってしまったパンの食べ放題だ。

パン屋さんのおいしいパンが食べ放題とあっては、パン好きにはたまらないサービスじゃなかろうか。ただし、種類の指定はできないので注意(総菜パンか菓子パンかの指定はできる)。

あまりにもこのモーニングが人気なので、お店では毎日わざと多めにパンを焼いているんだとか。

 

…それ、本末転倒では?

 

『モーニング喫茶リヨン』のオールタイムモーニング

別名「フルタイムモーニング喫茶リヨン」。1日中モーニングサービスを行っているという、能力値をモーニングに全振りしたまさにモーニング喫茶だ。

 

…いや、それもうモーニングじゃなくないか?モーニングって「朝」って意味だよね?朝でも昼でも夜でも食べられるモーニングって、それ本当にモーニングって呼んでいいんだろうか?

ていうか、モーニングってなんだっけ?

 

名古屋の喫茶店でモーニングを

コメダのモーニング
モーニング以外にも、ほかの都市の喫茶店にはない独自のスタイルがあるのが名古屋の喫茶店。ドリンクにお菓子などのおまけをつけ、新聞や雑誌を常備し、ふかふかのソファで長居を促す。コメダ珈琲がその典型的な例だ。

東京のオシャレな「カフェ」より、まるで家みたいにくつろげる「喫茶店」。これが名古屋人の気質にはぴったり合ってたみたいだ。

 

せっかく名古屋近辺に暮らしているのなら、いつもより少し早起きして、喫茶店で優雅にモーニング…なんていうのも素敵だと思う。

 

名古屋人の心のオアシスコメダ珈琲についてはコチラの記事で:コメダ珈琲 – 名古屋の喫茶店代表、コメダ珈琲

 

Map/Info

名称
コメダ珈琲店 栄錦3丁目店
住所
愛知県名古屋市中区錦3丁目20-13
営業時間
7:00~2:00
電話番号
052-971-3821
公式サイト
http://www.komeda.co.jp/
名称
白壁カフェ 花ごよみ
住所
愛知県名古屋市主税町4−72 アーバニア主税町
営業時間
7:30~23:00
電話番号
052-931-2346
公式サイト
http://www.taikohonten.co.jp/
名称
シャンテーコジマ
住所
愛知県名古屋市天白区中平1丁目701
営業時間
7:00~20:00 ※モーニングは12:00まで (火曜・第3水曜定休)
電話番号
052-802-5590
公式サイト
名称
モーニング喫茶リヨン
住所
愛知県名古屋市中村区名駅南1丁目24-30
営業時間
8:00~18:00
電話番号
052-551-3865
公式サイト

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