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RPA 野良ロボットを生まないためにも、RPA導入は慎重に

RPAの登場-ついに人間の仕事がロボットに奪われる?

Detroit:Become Human(デトロイト ビカム ヒューマン、以下DBH)というゲームをご存知だろうか。

フランスのゲーム会社クアンティック・ドリームが開発した、PlayStation 4 用アクションアドベンチャーゲームだ。
2038年、アンドロイドの存在が当たり前となったアメリカ・デトロイトを舞台に起こる数々の事件をもとに、人間とアンドロイドの関係を描く。

劇中のデトロイトでは、それまで人間が担っていた労働のほとんどをアンドロイドがこなしている。
全米の失業率は40%に迫り、アンドロイドに大きく依存した社会でありながら反アンドロイド感情を持つ人間も少なくない…というなんとも複雑な状況だ。

Detroit:Become Human オフィシャルサイト

 

「これはゲームの中の話」…と笑っていられる時代では、もうないかもしれない。

現実の世界でも、AIやアンドロイドといった技術はどんどん進んでいる。20年後には、人間の仕事の半分近くがロボットで代替可能になるとか言われてるし。(DBHの舞台もちょうど今から20年後なんだよな…)

 

そんな今の世の中で、注目を浴びている技術、RPA(Robotic Process Automation)。今回はこのRPAについての話をするよ。

 

RPAとは?

RPAとは、主にホワイトカラー業務を自動化するためのソフトウェア。「デジタルワークフォース」「仮想知的労働者(Digital Labor:デジタルレイバー)」とも呼ばれる。
今まで人間が手作業で行っていた定型業務をソフトウェアロボット(アプリケーションやシステムを識別し、人間と同様に操作できるソフトウェア)に代行してもらうことで、業務を効率化しちゃおうというものだ。

RPAツールに作業の手順や判断のルールを登録しておくと、ロボットがその通りにタスクを実行してくれる。プログラム言語の類は基本使わないので、プログラミング経験がなくても問題なく活用できるのがRPAの大きな特徴だ。

 

RPAとよく似たアイツら:botとAI

bot

語源は”Robot”から。プログラミングされた手順に基づいて、決まったタスクを繰り返すプログラム。指定されたこと以外のことはせず、ひたすら指示されたタスクだけを繰り返すのが特徴。
RPAがプログラミング知識不要なのに対して、botでは作業が複雑になればなるほど高度なプログラミング技術が必要になる。

AI

自己学習機能を持つ自律的な存在としておなじみ、人工知能(Artificial Intelligence)ことAI。言語の理解や問題解決といった知的行動を、人間の代わりに行うことができるコンピューターだ。
人が指示した手順に従って判断するRPAに対して、AIはデータベースに蓄積された情報をもとにして判断ルールを自力で見つけることができる。すごい。

 

RPA活用のための認定資格

RPAを正しく活用するには、RPAを正しく活用できる人材の育成が必須だ。そのため、RPAを扱う技術に関する認定資格もいくつか生まれた。『RPA技術者検定』もそのひとつだ。

RPA技術者検定は、NTTデータとヒューマングループが協業で提供する検定試験。NTTデータが企画・開発したRPAシステム『WinActor』に関する技術レベルを評価するというものだ。
『WinActor』の基本的な操作を習得した人が対象で、プロフェッショナル技術者・エキスパート技術者・アソシエイト技術者の三段階で評価される。

この検定のほかにも、「RPAは未経験だけど、これから試してみたい!」という方向けに、無料のRPA入門講座も用意されている。なんという周到さだ。NTTデータおそるべし。

NTTデータ RPA技術者検定

 

RPAの暴走、野良ロボットにご注意

RPAを導入した企業の中には、「野良ロボット」問題を抱えるところも少なくないという。

“野良ロボット”と聞いて真っ先に思い浮かんだのが「野良犬と化したaiboが路頭に迷い悲しげにしている図」だったんだけど、そういうことではないらしい。

※aibo:ソニーが開発したペットロボット。 SONY aibo公式サイト
ソニーストア名古屋でaiboをお迎えできるらしい。 ソニーストア 店舗情報

 

野良ロボットとは、なんらかの理由で管理者が不在となったロボットのこと。

社内でロボットの保守をしていた人が異動・退職してしまったり、ロボット開発を外部任せにしたがためにロボットを扱える人が社内にいなかったり、はたまた業務プロセスの変化にロボットの仕様が追いつかなかったりと、野良ロボットが発生する要因はさまざまだ。
野良ロボットをずっと放っておくと、間違った情報を入力し続けるなどの暴走を起こすこともあるという。

そんな悲しい野良ロボットを生み出さないためには、「流行ってるから」「便利そうだから」「なんとなく」で導入するんじゃなく、「本当に必要なのか」「保守管理ができる人はいるか」といったことをきちんと考えてからにしよう。

 

ペット飼うときと一緒だね。さっきのaiboの話じゃないけど。「お隣も飼ってるから」「かわいいから」だけでペットは飼えない。

ちゃんとお世話できないなら飼っちゃダメ。これはお兄さんとの約束だよ。

 

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