オンライン動画配信サービスの先駆けと言われ、今やその名を知らぬものはないほどの認知度を誇るYouTube。2005年のサービス開始(日本でのサービス開始は2007年)から現在に至るまで着実にユーザー数を増やし、その確固たる地位を築き上げた。
そしてついに、YouTubeへの動画投稿を生業とする『YouTuber』なる者まで現れた。新時代感が半端じゃない。どうしよう、僕まだインスタも満足に使えてないんですけど!
昨今なにかと話題の『YouTuber(ユーチューバー)』。YouTubeに動画を投稿し、その動画再生によって得られる広告収入で生活する人を指す言葉だ。
ゲーム実況や商品レビューなどの動画を通してエンターテイメントを提供するYouTuberは、特に子どもに大人気。「将来はYouTuberになりたい!」という夢を抱く小学生も少なくないんだとか。新時代感が半端じゃない…。
星の数ほど存在するYouTuberの中には、年収数億~十数億に上るウルトラスーパーYouTuberもいるというから驚きだ。しかし、そこまで成功できるのはひと握り…どころかひとつまみレベル。
そのひとつまみのうちの一人である某有名YouTuberは、撮影から投稿まで全部ひとりでこなし、10分の動画を作るのに撮影に3時間・編集に6時間以上を費やし、ピーク時にはほぼ不眠不休で動画投稿にいそしんだとか。
「不労所得」というイメージとはかけ離れた実態だ。YouTuber、めちゃくちゃハードなお仕事じゃん。
YouTuberとして成功するためには、日々新しいネタを思いつく発想力や動画の段取りを考える構成力、商品や自分を魅力的に演出するプレゼン能力とか体力とか、いろんな能力に秀でてないと無理なんじゃないだろうか。あと体力もないとダメそう。
YouTuberを目指すキッズたち、道は険しいぞ!がんばれ!
YouTuberにあこがれるお子さんを持つ親御さんはコチラも参考にどうぞ:子どもが「YouTuberになりたい!」と言ったらまず親は喜んでいいと思う
日本の二大動画サイトといっても過言ではない「YouTube」と「ニコニコ動画」。ほぼ同時期にサービス開始した二つの動画サイト、その文化の違いを比べてみよう。
ニコニコ動画:ネタに振り切ったものやアニメ・ゲーム関連の動画が多い傾向(俗にいうオタク向けってやつだ)。
日本人ユーザーが多め。
YouTube:ノージャンルというかなんというか、とにかくなんでもアリ。
世界中のユーザーが動画を視聴・投稿している。
ニコニコ動画:アカウントの登録が必要。無料会員と有料会員(ニコニコプレミアム会員:月額540円)があり、無料会員にはいろいろと制約がある(時間帯によって再生画質が落ちたり、視聴している生放送が混雑してくると追い出されたり)。
動画のカテゴリを示すだけでなく、茶目っ気あふれるユーザーによるネタも散見されるタグ機能や、動画上を流れるコメントなどの独特のシステムがある。
YouTube:Googleアカウントでログインする機能はあるが、動画を見るだけなら登録・ログインは不要。動画を評価したり、再生履歴を見たり、投稿したりする場合はログインが必要。画質は登録の有無にかかわらず安定している。
ニコニコ動画:YouTubeと同じように、動画投稿者が収益を得られるシステムはある(クリエイター奨励プログラム)しかし、ニコニコ動画内の動画はアカウントがないと閲覧できないので、万人に向けたアプローチには向かない。
YouTube:アカウントなしで閲覧できるので、幅広い対象に向けてアプローチできる。ちなみにYouTubeでは、webサイトを解析する『Googleアナリティクス』のように動画の再生数やユーザー層を解析する『YouTubeアナリティクス』が使える。
YouTubeで広告収入を得る人たちは『YouTuber(ユーチューバー)』、じゃあニコニコで広告収入を得る人たちは何て呼ばれるんだろう。やっぱ『ニコニコ動画er(ニコニコドウガー)』かな。…語呂の悪さがすごいな。
子どもが電車の中で泣き出してしまったときに、スマホで動画を見せておとなしくしていてもらう…というふうに、あくまで子守りの一助としてスマホを利用するお母さんが増えている。子ども向けの動画コンテンツも多いYouTubeは、そんな「スマホ育児」にはピッタリのサービスだ。
しかし、この「スマホ育児」を狙った落とし穴も存在している。
そのひとつが『エルサゲート』。ディズニー映画『アナと雪の女王』の雪の女王の方「エルサ」に、不祥事・事件などを表す接尾辞「ゲート」をくっつけた造語だ(※)。
子供向けと見せかけて、フタを開けたら下ネタ・エログロ・児童虐待ets.…といった不適切表現てんこ盛り、という極めて悪質な不適切動画を意味する。
※こういう類の動画によく登場させられていることからそんな名前になっちゃっただけで、エルサにもアナ雪にも何ら罪はないのでご安心を。
エルサゲートと呼ばれるものの中には、「教育」だとか「童謡」といった言葉をタイトルに含めることで人畜無害を装うものも多い。
さらに、YouTubeが定めた年齢制限に関するポリシーや、動画が本当に子供向けかどうか判断するアルゴリズム、不適切動画をはじくフィルターなんかも上手にくぐり抜けてしまう動画もあるようだ。
小さなお子様にYouTubeを見せるときは、見せっぱなしにせず、ときどき画面をチェックしてあげよう。
好きなアーティストの最新MVをいち早く・さらに高画質で視聴できたり、子育てを頑張るママたちの強い味方になったり。YouTubeは、今や単なる「動画サイト」の枠を大きく超えたものになりつつある。
その反面、「エルサゲート」のような悪質動画がはびこったり、誰でも動画を公開できる気軽さから著作権的なトラブルが絶えなかったりと、問題が多いのも事実だ。
視聴する側にしろ投稿する側にしろ、節度を守って楽しく利用したいね。