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自動運転 事故?失業?自動運転が実用化されたら何が起こる?

自動運転-これぞまさに“自動”車

インターネットやAIといった先進技術はここ数年でめざましい進化を遂げ、僕たちの生活に欠かせないものとなりつつある。

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今や、ドアが自動で開くのなんて当たり前の時代だ。
日が沈んだら勝手に明かりが点くし、トイレのふただって勝手に開くし、掃除はルンバがやっておいてくれる。

そんな時代に登場した『自動運転』の技術。自動化(オートメーション)(ビッグウェーブ)が、とうとうクルマの世界にもやってきたのだ。

 

自動運転とは?

自動運転とは読んで字のごとく、人間の代わりに車が自動で運転してくれるシステムのことだ。

自動運転にはレベル0~5の6つの段階がある。その定義はアメリカの非営利団体『SAE International』(SAE:Society of Automotive Engineers)が定めたものが、日本でもそのまま採用されている。

レベル0(運転自動化なし)

システムが介入しない、いわゆる「普通のクルマ」。運転操作はすべてドライバーが行う。

レベル1(運転支援)

システムがハンドル操作、加減速のどちらかをサポートする。
ハンドル操作をサポートするシステムの場合、車線をはみだしたときに軌道修正してくれたりする。加減速をサポートするシステムの場合、車間距離を一定に保つためのスピード調整をしてくれたりする。

レベル2(部分運転自動化)

システムがハンドル操作、加減速の両方をサポートする。
レベル2までは、厳密には『自動運転』じゃなくて『運転支援技術』っていうんだって。

レベル3(条件付運転自動化)

ここからが『自動運転』。高速道路などの特定の場所に限り、運転操作を全部システムがやってくれる。
緊急時や、システムが作動困難になった場合にはドライバーが運転する。

レベル4(高度運転自動化)

レベル3同様、高速道路など特定の場所に限ってシステムがすべて操作してくれる。
緊急時の対応も全部システムがやってくれる。すごい。

レベル5(完全運転自動化)

いつでもどこでもシステムが自動で運転してくれる。
もちろん緊急時の対応もぜんぶお任せ。すごい。人間出る幕ナシ。

 

ほんとに大丈夫?自動運転のデメリット

手放し・飲酒・居眠り運転が横行するのでは?!

自動運転が普及すれば「クルマが勝手に走ってくれるから大丈夫」と油断する人間が湧いて出るのは目に見えている。人間とはそういう生き物だ。

現在なら、道路交通法違反で罰則不可避な手放し運転・飲酒運転・居眠り運転etc.。
しかしこれら悪行の数々も、両手でスマホをさわっていようが酒を飲んでいようが寝ていようが、システムが全力で危機回避してくれるので絶対に事故りません!というのなら、まったく問題はないわけで。

そんなことがありえるのなら、の話だけどね。

 

保険屋さんが苦しむのでは?!

万が一、絶対に事故を起こさない完全自動運転システムが確立されたとする。そしてそれが、またたく間に全世界に普及したとする。当然、自動車事故は起こらなくなる。するとどうなるか。

自動車損害保険サービスを提供している、保険屋さんが困る。『風が吹けば桶屋が儲かる』の逆バージョンだ。

 

しかし、そんな状況をただ見ているほど保険屋さんもバカじゃない。

自動運転車がハッキングされて起こした事故にも適用される『サイバーリスク保険』や、カーシェアリングサービス向けの保険など、自動運転が当たり前になった社会にも対応できる新しい保険をどんどん生み出している。
がんばれ保険屋さん。

 

タクシーの運転手さんが失業するのでは?!

2018年8月、世界初の自動運転タクシーが東京で営業実験を行った。自動運転実用化の波は、もうすぐそこまで来ているのかもしれない。
もしこのまま順調に自動運転タクシーが実用化されたらどうなるか。そう、タクシーの運転手さんが職を失ってしまうのだ。

 

そんな未来を回避するため、タクシー会社各位は「人間のドライバーが運転するからこそできるおもてなし」を重視した取り組みを行っている。その一例をご紹介しよう。

名古屋を中心に愛知・岐阜・三重でサービスを展開するつばめタクシー。

マナー研修を受けた精鋭ドライバーやケアドライバー(介護職員初任者研修資格を持つドライバー)を呼べる「ジャストマッチングシステム」や、陣痛を迎えた妊婦さんを産院まで送り届けてくれる「エンジェルプラン」、小さい子どもを連れた人や子どもだけでも安心して利用できる「子育てタクシー」などのサービスを提供している。

目的地まで運ぶだけなら自動運転で十分だけど、“気づかい”や“おもてなし”は生身の人間ならではだからね。

 

いままで人間がやってきた「作業」が機械やプログラムに奪われるってことは、その分「人間にしかできないこと」の価値が注目されるってことなのかも。テクノロジーと人間が切磋琢磨していけば、社会はもっと良くなるのかもしれないね。

 

トヨタの自動運転技術

クルマと言えば、忘れちゃいけない我らがトヨタ。

“クルマを操る楽しさと自動運転を両立させ、人とクルマが同じ目的を目指し、ある時は見守り、ある時は助け合う、気持ちが通った仲間の関係を築く(※)”という独自の考え方「モビリティー・チームメイト・コンセプト」に基づいて、自動運転技術の開発を行っている。

トヨタ公式サイトより引用

トヨタは、2020年頃には高速道路上の自動運転システム『ハイウェイチームメイト』を、2020年代前半には一般道での自動運転システム『アーバンチームメイト』を実用化する予定だ。

参考:日本経済新聞電子版

 

自動運転が当たり前になる日は来るのか

ルンバ

近づいただけでドアが開くのも、トイレのフタが自動で開くのも、暗くなったら勝手に明かりがつくのも、留守の間にルンバが部屋を掃除してくれてるのも、いまでは当たり前の光景だ。

それと似た感じで、自動運転・無人運転が当たり前…なんて時代が来るのも、もう時間の問題なのかもしれない。法律とかインフラの整備とか、解決しないといけない課題は山積みだけどもね。

 

先日も、アメリカの自動車メーカー『フォードモーター』とスーパーマーケット『ウォルマート』が提携して、自動運転の実用化に向けた実験を行った。
食品や日用品などの商品を自動運転車がお客さんのもとへ届けて、その実験から得られたデータを自動運転システムの開発に生かすんだそうだ。

日本でも同じようなサービスができたら、お店に行く手間が省けていいなあ。日用品の買い出しってほぼ作業だもんね。

 

いつもの買い物は自動運転車に任せちゃって、そのあいだに自分の好きなことができる。
そんな生活が当たり前になるのは、ちょっと楽しみかもしれない。

参考:日本経済新聞電子版

 

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