そう嬉しそうにお誘いくださる親愛なる友人たちに、言わなきゃならないことがある。
すまない、名古屋に観光地はないんだ。
いや、観光地が「ない」と言うとさすがに語弊がある。ないことはないんだ、パッとしないだけで。
愛知県の県庁所在地たるここ名古屋は一応、東京大阪と並んで日本三大都市のひとつ。
それなりに歴史的建造物や、観光客の誘致を狙った各種エンタメ施設が、ないことはないのだ。名古屋港水族館とか、熱田神宮とか、レゴランドとかね。
ただ他の二都市と比べると、規模や魅力の点でどうにもパッとしない。それが名古屋だ。
そんないまいちパッとしない名古屋のいまいちパッとしない観光地のひとつに、名古屋城がある。
徳川家康が天下統一の最後の布石として建て、その後は尾張徳川家が居城とした名古屋城。
1612年に完成した天守閣は、1945年の名古屋空襲で本丸御殿もろとも焼失する憂き目を見たが、
1959年にエレベーター完備の鉄筋コンクリート製スーパー天守閣に生まれ変わった。
…けど、今では現地人や城マニアの皆さんから「ガッカリ名所」というレッテルを貼られたかわいそうなお城。それが名古屋城だ。
すごいお城なんですけどね、名古屋城。
日本三大名城だし。
鉄筋コンクリート造りなのがいけないのか、それともエレベーターが情緒をぶち壊してるのか。
…大阪城だってエレベーター完備なんだけどなあ。
「そんなにガッカリだって言うならやってやんよ」…と思ったのかどうかは定かでないが、
現在名古屋市では名古屋城の天守閣を建て直す計画が目下進行中だ。完成予定は2022年12月。
往時の姿を忠実に再現するべく木造で再建し、エレベーターも設置しないらしい。
すごい!これでもうガッカリなんて言わせないぜ!
…なんて、そう簡単にいかないのが世の常。
「バリアフリーのためにエレベーターを設置してくれ」という声が多数上がっているのも事実だ。
参考:朝日新聞デジタル 名古屋城にエレベーターを、障害者団体が訴え 市を批判
忠実な再現か、バリアフリーか。もう間をとってエスカレーターでいいんじゃないですかね。ダメか。
(画像引用元:名古屋おもてなし武将隊、経済効果27億円のパフォーマンス | BARKS)
名古屋城の見どころといえばこれ、名古屋おもてなし武将隊。
彼らは「おもてなし演舞」と呼ばれるショーを名古屋城二の丸広場で行い、名古屋城を訪れた観光客を「おもてなし」することを生業とするイケメン集団だ。
「おもてなし」の内容は記念撮影や座談会、さらには武将みずから観光案内を買って出るなどといったもの。つまるところ『ファンサ』というやつだ。
最近では名古屋のローカル番組へ出演したり、さらには写真集を発売するなどアイドル的な人気を博している。会いに行ける武将(アイドル)。それが名古屋おもてなし武将隊だ。
ただのコスプレ集団などとナメてかかってはいけない。
何人もの歴女がおもてなし武将隊の沼に落っこちるのを見てきた僕が言うんだから間違いない。
オタクはファンサに弱い生き物なのだ。
伊勢神宮の前にあるおかげ横丁をモデルに名古屋城下の町を再現したエリア、それが金シャチ横丁。2018年3月にオープンし、名古屋城の新たな目玉として注目を集めているスポットだ。
伝統・正統をテーマとする「義直ゾーン」と新風・変化をテーマとする「宗春ゾーン」に分かれており、名古屋めしや名古屋のご当地スイーツなどが楽しめる。
金シャチよろしくエビ天があしらわれた味噌煮込みうどんや、チョコファウンテンならぬ団子ファウンテン、豪華絢爛な金箔ソフトなどなど、非常に個性豊かなメニューが揃っている。
そのなかでも僕のおススメは忍者アイス。
忍者の生首を模したアイスに、ポッキーでできた忍者刀と手裏剣クッキーが突き刺さっている。かわいい。敵地から命からがら逃げおおせた忍者がモチーフなんだろう。かわいい。
(画像引用元:暑さが戻った金シャチ横丁で人気、忍者アイス ( 飲食店 ) – 名古屋ナビ)
さらに、今年の金シャチ横丁は4/24~9/30の期間限定でビアガーデンがオープンする。海鮮BBQ食べ放題&飲み放題というステキ仕様。最高だ。ぜひ毎年続いていってほしい。
よかった、名古屋城もまだまだ捨てたもんじゃないんだね。親愛なる友人たち、今までごめん。今年の夏は名古屋城で飲もう。
おもてなし武将隊の沼には気を付けような。オタクはファンサに弱い生き物だから。
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