名古屋とその近辺にお住まいのみんなは、『大須』と言われて何を思い浮かべるだろう。多くの人が、個性豊かなお店が並ぶ『大須商店街』を思い浮かべるのではないだろうか。
ここで思い出してほしい、地下鉄鶴舞線「大須観音」駅の2番出口から商店街に入る前、必ず通る場所があるはずだ。
そう、駅の名前にもなっている『大須観音』だ。
大須を訪れる大体の人が、大須観音を素通りして商店街へ吸い込まれていく。
正直僕も、やたら鳩がいるお寺だなーくらいの認識しかなかった。見渡す限り鳩、鳩、鳩。
鳩のエサ(1皿50円)なんか取り出した日には、もう全身鳩まみれだ。
商店街でショッピングを楽しむのもいいけど、たまには大須観音にもお参りしていってほしいな。鳩とたわむれ放題だし、けっこう由緒正しきお寺だったりするので。
大須商店街の入り口に鎮座し『大須観音』の名前で親しまれているこのお寺は、正式名称を『北野山真福寺宝生院』という。
カッコいい。『宝生院』っていうのが特に良い。
ここ大須観音は日本三大観音のひとつ(すごい!)で、本尊は聖観音(しょうかんのん)。また、なごや七福神のうちのひとつ(よく分からんがたぶんすごい)、布袋像が安置されている。
主な御利益は厄除け、家内安全、身体健康、商売繁盛、学業成就など。
ちなみに、大須観音の裏手に佇む北野神社には、学問の神様である菅原道真(天神)が祀られている。
もともとは、この北野神社の別当寺(神社を管理するお寺)としてできたのが大須観音。今でこそ大須観音の方が有名になってしまったけどもね。
名古屋で天神といえばこちらも:上野天満宮 – 「う」から始まる上野天満宮
初詣なんかのときに引いて、その年の運勢を占うおみくじ。大須観音のおみくじは、圧倒的に凶が多いことで有名だ。
これは、大須観音に人気を持っていかれた北野神社の呪い…とかでは全然ない。というのも、おみくじで大吉をそんなにぽこじゃかぽこじゃか出してしまうと、愚かな人間は「大吉だから今年1年は安泰」と努力するのをやめてしまう。
そこで「たとえ凶と出ていても、自らの行いをよくすることで運を切り開いていってほしい」という考えから、凶がちょっと多めに入っているんだとか。
つまりは「観音さまのご加護的なものにばかり頼るんじゃなく、ちょっとは自力で頑張んなさいよ」というわけだ。お母さんかな?
寺社仏閣で参拝者向けに授与される『御朱印』。大須観音で受けられる御朱印には『大須観音本尊』『なごや七福神布袋尊霊場』『東海三十六不動尊霊場』『名古屋廿一大師霊場』『尾張三十三東海百観音霊場』の5種類がある。
ごしゅいんがごしゅるい。なんでもないです。
大須観音に限らず、日本各地の寺社仏閣(実施していないところもある)では、個性豊かな御朱印を受けることができる。
旅の思い出にもなるので、寺社仏閣に立ち寄った際は御朱印集めをしてみるのもオススメ。
御朱印には、仏そのものをあらわす「梵字」が含まれていることも多い。けして粗末に扱わないように気を付けよう。
パンフレットの余白とか、メモ帳なんかの適当な紙に押してもらうっていうこともできない。御朱印を集めるなら専用の『御朱印帖』を用意しよう。
この御朱印帖もなかなか凝ったデザインのものが多くて、お気に入りの一冊を見つけるのも楽しい。大須観音でもオリジナルの御朱印帖が買えるよ。
大須観音の境内では、毎月18日と28日に骨董市が開催される。
この骨董市には毎年80店ほどが出店し、着物や古布、食器や花器などの陶器類、レコードやおもちゃなどの昔懐かし系、絵画、刀、果ては古文書に至るまでさまざまな骨董品の数々が並ぶ。
開催時間は「日の出から日の入りまで」とかなりアバウトな感じ。時間としては、だいたい朝の5時から夕方の4時くらいまでやってるんだとか。
また毎月18日の午後3時からは、先着200名限定で甘酒が配布される。せっかく訪れるなら、狙ってみてもいいかもしれない。
「アンティークに興味はあるけど骨董店には入りづらい…」とか、「アンティークとかよく分かんないけど『1点物』って素敵!」って人に特におすすめのイベント、骨董市。
大須商店街内のお店(コメ兵など)も、骨董市の開催日に合わせてセールをやることが多いみたいなので、そこも狙い目だ。毎月18日28日は大須に行こう。
参考:大須観音 骨董市
たまには観音さまと天神さまにご挨拶もしていってね。
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