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徳川園 尾張徳川家と徳川園(徳川美術館・蓬左文庫)

「3」大好き日本人と徳川御“三”家の話

3は縁起のいい数字

日本人は「3」という数字を好む、なんて話がある。

そのひとつの証拠としてよく言われるのが、『日本語には「3」が入ったことわざや慣用句が多い』というやつ。
例を挙げると、「“三”大○○」「“三”度目の正直」「仏の顔も“三”度まで」「石の上にも“三”年」「駆けつけ“三”杯」「とりあえず“三”年勤めろ」など。なるほど、確かに多い。

日本人がここまで「3」を好む理由については、陰陽思想(この世のありとあらゆるものを陰・陽の二つに分類する思想)において「1」の次に区切りが良くて縁起のいいと言われる数字が「3」だからだとか、「3つ」が「みつ(満つ、充つ)」につながっていて縁起がいいからだとか、いろいろ言われている。

最初の「御三家」は徳川御三家

そんな縁起のいい「3」を使った言い回しに「御“三”家」というのがある。意味合い的には「三大○○」と似たような感じで、特定の分野におけるトップスリーを挙げるときに使われる表現だ。(例:○ケモン御三家)

そしてこの「御三家」という言い回しは、「“三”英傑」のひとりでもある徳川家康の家筋、徳川家にちなんだものでもあるのだ。

徳川家、と一口に言っても、本家である徳川将軍家をはじめたくさんの分家がある。
その並み居る徳川家の中でも、徳川将軍家に次ぐ地位にあった尾張徳川家・紀州徳川家・水戸徳川家の3つを「徳川御三家」と呼んだことから、ある分野において突出した3つのものを「御三家」と呼ぶようになったんだそうな。

 

人々の憩いの場、徳川園

徳川御三家のうちのひとつ、尾張徳川家。

その2代目当主・徳川光友の屋敷跡は今『徳川園』という名前の日本庭園になっている。その景観の美しさから、散策・ランニングのルートとしても人気のスポットだ。結婚式・披露宴の会場や、前撮りのロケーションにここを選ぶ人も多いんだとか。

園内にはさまざまな植物が植えられていて、春はボタンやツツジ、夏はハナショウブやクチナシ、秋はヒガンバナやキンモクセイ、冬はツバキやサザンカと、四季折々の花が目を楽しませてくれる。
秋には紅葉のライトアップも行われるので、秋の夜長に徳川園で紅葉狩り…なんていうのもいいかも。

詳しくはコチラ:徳川園 イベント情報

 

尾張徳川家が遺した徳川美術館の所蔵品たち

徳川の秘宝、駿府御分物

徳川美術館・初音の調度
(画像引用元:国宝 初音の調度-日本一の嫁入り道具- 徳川美術館・蓬左文庫開館80周年記念春季特別展 全点一挙公開 | 特別展・企画展 | 展示 | 名古屋・徳川美術館)

徳川園の敷地内に佇む徳川美術館は、駿府御分物(すんぷおわけもの:家康の遺品)をはじめ、尾張徳川家に伝わる大名道具などを収蔵・展示する美術館。
その所蔵品には9件の国宝、59件の重要文化財が含まれる。『源氏物語絵巻(国宝)』や『初音の調度(国宝)』あたりが有名。

※初音の調度:3代将軍家光の長女であり、尾張徳川家2代光友のもとに嫁入りした「千代姫」の嫁入り道具一式。源氏物語の「初音」という章を意匠にしているためこう呼ばれる。

徳川美術館の刀剣コレクション

日本刀
そんな徳川美術館の数あるコレクションの中でも、目玉と言っても過言でないのが「刀」だ。

徳川美術館の多彩な刀剣コレクションは、刀剣マニアから某ゲームのプレイヤーまで、刀を愛する多くの人々の心を惹きつけている。

徳川美術館からは、「鯰尾藤四郎」「後藤藤四郎」「物吉貞宗」「南泉一文字」「山姥切長義」の5振りが某ゲームに実装済み(2018年11月現在)。
彼らをまとめて「徳美組」と呼ぶプレイヤーもいるんだとか。

 

やたらと所蔵刀剣の某ゲーム実装率が高い徳川美術館。その割に、コラボグッズや等身大パネルを置いたりしないのがちょっと不思議だ。置いたらぜったい盛り上がると思うんだけどなあ…

 

「門外不出」厳禁、蓬左文庫

和綴じの本
徳川美術館と同じく徳川園内にある名古屋市蓬左文庫(ほうさぶんこ)は、尾張徳川家にまつわる文献資料を所蔵する公開文庫。
徳川家康の九男にして尾張徳川家初代・徳川義直の「決して門外不出とすべからず」の言葉に基づき、江戸時代から一般に対して開かれていた。

蓬左文庫のはじまりは、1616年に家康が亡くなった際、義直に与えられた約3000冊の蔵書たち。駿府御譲本(すんぷおゆずりぼん)とも呼ばれるこの大量の書物を保管するため、名古屋城(別名:蓬左城)に設けられた書物庫「御文庫」が蓬左文庫の起源だ。

現在は、名古屋市博物館の分館として書籍や絵図の収集・保管・一般公開を行っている。

ここから蔵書検索ができるよ:名古屋市蓬左文庫蔵書検索システム

 

徳川将軍家の始まり、岡崎城

岡崎城
せっかく徳川家の話をしているので、徳川家初代・家康出生の地、岡崎城も紹介しておこう。岡崎城はその名の通り愛知県岡崎市にある城で、別名を『龍城(たつがじょう)』という。なんなんだこのカッコいい異名は。

 

異名のカッコよさなら負けてない、蓬左城こと名古屋城についてはコチラ:名古屋城 – 名古屋城のことがっかり城って言うのやめよう?

 

家康(幼名:竹千代)はこの岡崎城で生まれ、6歳で織田氏の人質に、8歳で今川家の人質になったあと、桶狭間の戦いでの今川義元の討死をきっかけに今川氏から独り立ちし、18歳で岡崎城主となった。ちなみに誕生日は12月26日。今の時代ならクリスマスと一緒くたにしてお祝いされちゃうやつだ。竹千代くんかわいそう。

家康の産湯に使われた井戸などの遺構が残る、岡崎城。再建された天守閣は、岡崎の歴史を扱う資料館として利用されている。
もっと家康のことを知りたい!っていう人は、岡崎城すぐ近くの『三河武士のやかた家康館』も覗いてみてね。甲冑の試着なんかもできるよ。

詳しくはコチラ:岡崎おでかけナビ – 岡崎公園

 

名古屋の学生のみんな、徳川美術館に行こう

徳川美術館に興味が出てきた、名古屋の学生のみんなにここでお知らせだ。

『徳川美術館メンバーシップ』という制度はご存知だろうか?メンバーシップ加盟校の学生は、学生証を提示すれば無料で徳川美術館に入館できるという素晴らしい仕組みだ。自分の通う大学が加盟校だったら、利用しない手はないね。

加盟校のリストはここで確認できるよ:徳川美術館 会員制度・活動支援基金

 

Map/Info

名称
徳川園
住所
愛知県名古屋市東区徳川町1001
営業時間
9:30~17:30(月曜定休)
電話番号
052-935-8988
公式サイト
https://www.tokugawaen.aichi.jp/
名称
徳川美術館
住所
愛知県名古屋市東区徳川町1017
営業時間
10:00~17:00(月曜定休)
電話番号
052-935-6262
公式サイト
http://www.tokugawa-art-museum.jp/
名称
名古屋市蓬左文庫
住所
名古屋市東区徳川町1001
営業時間
10:00~17:00(月曜定休)
電話番号
052-935-2173
公式サイト
http://housa.city.nagoya.jp/index.html
名称
岡崎公園
住所
愛知県岡崎市康生町561−1
営業時間
24時間営業
電話番号
0564-24-2204
公式サイト
https://okazaki-kanko.jp/okazaki-park/

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