そんな都市伝説がまことしやかにささやかれるくらい、名古屋に対する「味噌」のイメージは強い。
それも仕方ないかもしれない。だいたいの家にはチューブ味噌が常備されてるし、実際なんにでも味噌かけて食べる人もいるっちゃいる。
名古屋人御用達のアレ:ナカモの『つけてみそかけてみそ』
そして、名古屋めしと呼ばれるものにも味噌はつきものだ。
ただ、味噌のイメージが強すぎるがゆえに名古屋めしを敬遠するのはもったいない。
「名古屋めしは食べてみたいけど、味が濃いのはちょっと…」そんな人にこそ食べてほしいものがある。
矢場とんの味噌カツだ。
むかしむかしあるところに、小さな屋台がありました。
そこでどて煮と串カツを食べていたある一人の客。ふと思いついて、串カツをどて煮の味噌に浸して食べてみた。するとなんということでしょう、めちゃくちゃ美味しかったのです。
その客の姿を見た他の客も、マネして食べて驚きます。これはいける。
初めに串カツをどて煮に浸して食べた客はその後、トンカツに合う味噌ダレを考案し「味噌カツ」のお店を作りました。これが矢場とんの始まりなのでした。めでたしめでたし。
そんな経緯で生まれた矢場とんの味噌ダレは、さらさらであっさりしているのが特徴。だしやみりんで味付けしたどて煮の味噌、その優しい味がもとになっているからだ。そんな矢場とんの味噌カツは、味噌に苦手意識がある人にこそおすすめ。
海か?ってくらい大量にかかった味噌ダレに最初は驚くかもしれない。でも勇気を出して試してみてほしい。きっと世界が変わるから。
矢場とんにはマスコットキャラクターがいる。きょとんとした愛らしい表情でまわしを締めた豚、「横綱ぶた」さんだ。
「横綱ぶた」だと長いしとっつきにくいからか、人々は「ブーちゃん」「ブタちゃん」「トン様」などと好き勝手に呼んでいるようだ。あれか、近所をうろつく野良猫が家によって「ミケ」「タマ」「ジュリエット」と呼び名が変わるのと同じ感じか。
なお、矢場とんの公式サイトも「ブーちゃん」の方を採用しており「横綱ぶた」の表記は見当たらない。もはや彼を本当の名前で呼ぶ人はいない、ということだろうか。
彼自身、自分の本当の名前を覚えていないかもしれない。そう思うと、あのとぼけた顔もどこか悲しげに見えてくる。
そもそも、トンカツを売りにしているお店の看板を豚が背負うってなかなかエグい。「僕の肉をお食べ」ってことだもんな。某空飛ぶアンパン氏は頭すげ替え式だけど、豚さんはそうはいかない。
今まで何匹の仲間を見送ってきたんだろう。ブーちゃんはどんな気持ちで、看板の中でほほ笑んでいるんだろう。
もちろん、おいしい味噌カツが食べられるお店は矢場とん以外にもたくさんある。僕の個人的”推し味噌カツ”があるのは、コメダ珈琲だ。
なに?コメダはシロノワールのお店だろって?馬鹿を言うな。
そりゃもちろんコメダのシロノワールは美味しいけど、サンドイッチやグラタンなんかも美味しいんだぞ。軽食からがっつり系まで、コメダ珈琲の守備範囲は広いのだ。見くびってもらっちゃ困る。
話を戻そう。僕の推し味噌カツはコメダの「みそカツパン」だ。濃厚な味噌ダレがしみ込んだサクサクのカツが、トーストしたてのほかほか自家製パンに挟まった至極の一品。幸せをそのまま食べてる感じ。パンと味噌カツの相性が良すぎる。もはや運命。
そしてこれはコメダのメニュー全般に言えることだけど、ボリュームがものすごい。出てきた瞬間「でかい…」ってなるし、食べた後の満足感がすごい。僕なんかは毎回2/3も食べ進めたところでお腹いっぱいになってくる。
食べきれるか心配な人は友達とシェアしよう。注文するときにお願いすれば、好きな数に切り分けてもらえるよ。
詳しくはコチラ:コメダ珈琲 スナックメニュー
そう、幸せは誰かと分け合った方が楽しいからね。
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